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PERFECT BREATH
基礎から学ぶ管楽器の「呼吸法・発音法」6
by Shoichi Kameya

7. ウォーミングアップと日課練習

 ウオーミングアップとは体を楽器に適した状態に仕上げていく作業です。アンブシュアや姿勢、呼吸などを整えていきます。運動選手が、ストレッチをしたり、軽くジョギングをしたりするのと似ています。それから徐々に基礎練習を織り交ぜた日課練習に入って行く訳です。時間のないときはウオーミングアップが、基礎練習の代わりになる様にプログラミングすることができます。
 では最初に、体を目覚めさせる練習から始めましょう。初めての人は、丁寧に感じをつかみながら練習してください。慣れて来たら楽器を組み立てながらや、練習場に向かう途中でも実行して、練習にすぐ入ることができます。

A. S-Z-mm-Huu そして息が音になる。

 さて、いよいよここからが実際の練習です。コントロールされた呼気が気持ちよく音へと変換されます。呼吸筋を目覚めさせ、無理なく短時間に、楽器の演奏に適した体に仕上げていく方法を学びます。

 まず、柔らかい無声子音"S"を発音します。必要以上に息を吸い込んではいけません。つぎに、その息の音を保ったまま"U"を発音すると有声子音"Z"が出ます。その時、奥歯を軽く噛んでいると"ジー"っと振動し、より抵抗が増えます。実際に楽器を吹くときの、呼気の軽い抵抗感を体感します。空気の流れの一番細くなるところの抵抗感。マウスピースの抵抗感や楽器の抵抗感、声門による抵抗感、横隔膜の対応運動による抵抗感など、演奏時に感じる、これらの「抵抗感」や「息の支え」をここで感じることができます。
 つぎに「mmm」の練習。とても難しく感じる人が多いと思いますが、最初はできなくても、だんだん慣れる様にしてください。大量の息が鼻腔を通過して、お風呂に入って気持ちの良い時に出る声のような、空気のいっぱい通過した息で練習します。
 最後に「Huu」の練習。空気の混じった口笛の様に。頬を軽く膨らませて、抵抗感を感じなら、声を出します。

a.無声子音の練習:sss---

 息を前歯の隙間から軽く発音します。あくまでも軽く練習します。お腹は自然にへこんでいきます。力んだり、息が出すぎている人は、音量を下げるとか体の力を抜くとか、あまり一生懸命になりすぎないようにしてください。誰でも簡単にできるはずです。
吹きのばしの最中は頬を上げ、軽く微笑んだ様な感じで「明るい」音色で練習します。

音源:sss--------

b.有声子音の練習:ZZZ---

 無声子音の「スーー」という音が無くならないように声を出します。日本語の「ZU」のように「U」の音が残らないように十分気を付けてください。
 これにより、力のぬけた声門閉鎖の練習ができます。同時に横隔膜の横と後ろ側の支えを感じることができます。声門閉鎖とは吹奏時に横隔膜と対応して声門が閉じて、息をコントロールすることで、上級者で顕著に見られる特徴です。

音源:zzz--------

c. ハミングの練習:mmm---
口を閉じ、鼻から息を出しながら「mmm----」とハミングします。

音源:mmm---------

深い音色でトリルの練習をします。

空気の流れに乗せて練習します。

d. ほっぺを軽く膨らませて:Huu---

空気の音で音程なしで

音源:Huu--------

空気の音が無くならない様にGの音程で声を出します

深い音色でトリルの練習をします。

空気の流れにのせて練習します。


e. khuu----Hhoo-----Khoo(クー・ホー・コー)の練習

正確に発音をしながら、下記のグリッサンドを利用して、Khooのシラブルで、Dの音を安定させます。

準備中

c.d.e.の訓練用音源をご利用下さい。 女声用 男声用

f.息の振動への変換

 e.で練習した「Khoo」のシラブルで、下記の譜例を練習します。息がとても楽に振動に変換することを体感してください。最も大切な練習です。e.で練習した「サァーー」という唇の間を通り抜ける音が「楽器の音のつぼ」に当たって振動に変換するのを体感してください。
 ロングトーンの練習ですが、長さは気にせずに練習してください。メトロノーム60で3〜4拍ぐらいが適当でしょう。

*音の出る仕組み 
「振動音なしで楽器から音が出る」
 信じられないかも知れませんが、振動音なしで楽器から音が出ます。アンブシュアを締めないで、大きい開きで練習してみると、とても楽に演奏ができることがあります。金管楽器ではとても解りやすいのですが、あるフレーズをスケルトンタイプのアンブシュア・チェッカーで練習すると、唇の隙間の大きさにびっくりします。反対に全ての音がバズイングで正確に発音されるように少し狭いと、なんだか窮屈で吹きづらいことがよくあります。
「ホワイトノイズ奏法」
 音響学の先生の話。管楽器の発音の仕組みはとても複雑で、どうして鳴るのかは、よく解っていないのだそうです。しかし、それは「共振である」ということははっきりしていて、パイプオルガンのパイプの共振原理のように単純なものとして理解することができます。パイプオルガンの共鳴筒をはずしてみると、そこで鳴っているのは「サァーー」という「ホワイト・ノイズ」です。「ホワイト・ノイズ」とは全ての周波数を含んだ音です。白色の光は全ての色を含んだ色です。そこからとった名前で、「ホワイト・ノイズ」(白い雑音)は全ての音を含んでいます。
 そこに、管がセットされると、その管は自分の共振する音と寸分違わない音を正確に選び、響かせるのです。振動を作る側に音程の決定権があるのではなく、共振をする「管」のほうに決定権があるのです。とても驚くべき事です。もし振動を作る側が少しでも違った音を作ってしまうと、管は上手く共振してくれないのです。唇やリードが主導して音程を作るのではなく、息が鳴る感覚が正しいことがよくわかります。

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